2021年6月20日日曜日

プロクソンのMF70をCNCにする ー ハードウェア編

 プロクソンのMF70をCNC化し生基板からPCBを切削加工することに成功したので、忘備録として流れを列挙します。 

購入ハードフェア

 1. Proxxon MF70

 フライスが必要となります。中華CNCであれば2万円程度から購入できますが、Proxxonの物はコラム型であり剛性に優れているのではと考えています。またテーブルがミルの位置がXY方向に固定されているため、平面度が良好になるかと思います。
 

2. CNCキット

CNCのドライバとモータのセットを購入しています。Arduino UNOとCNC Sheild, NEMA17のモータのセットです。MF70にはNEMA17規格のモータで十分なようです。
UNOにGRBLドライバソフトを書き込み、PCにインストールしたGRBL対応のソフトから制御します。

 



 

NEMA17のモータ規格です。 付属のモータは17HS4401というモデルでした。


 

 3. モータマウント

NEMA17用のものを購入します。

4. 電源

モータ駆動用の電源を用意します。24Vで2Aは必要です。

 

準備

CNC Shieldの準備をします。

 

マイクロステップ設定

 M0-2のジャンパで設定します。1/8にしました。

MS0 MS1 MS2 Motor res
OPEN OPEN OPEN FULLL STEP
JUMP

HALF STEP

JUMP
¼ STEP
JUMP JUMP
1/8 STEP
JUMP JUMP JUMP 1/16 STEP


電流制限

A4988ドライバボードのボリュームで電流制限の設定をします。このボードの電流検出抵抗は0.1Ωですので、制限電流I maxとVrefの関係は下記のようになります。

I max = Vref x 1.25

モータの定格は1.7Aでしたので、1V程度にしています。1.25Aが制限電流となります。


スイッチ

サイクルスタート、フィードホールド、リセット、E-STOPのボタンを用意します。

無くても動作確認は可能ですが、PCソフト側からは一時停止できないのでかなり怖いです。おもいがけない動作するとパニックになりかけます。

Resume, Hold, Abort, E-STOPから信号を引き出し、スイッチでグランドに落すようにします。E-STOPがA接点なのが気になります。あとE-STOPはAtMegaのリセットです。

上記では各軸端のリミットSw信号も引き出ししています。(原点復帰動作確認のため)


GRBLファームウェア準備

Arduino UNOにGRBLのファームウェアを書き込みます。

こちらからソースをダウンロードし、"grbl"以下をArduinoの"libraries"フォルダにコピーします。

Arduino開発環境を起動し、スケッチ例からgrbl->grblUploadを選択。

ビルドしてAurdino Unoに書き込みします。書き込みはArduinoの書き込みとなんら変わりありませんので割愛します。

 

 モータ接続

 マウントを使用してモータを接続します。Y軸はベースやダイヤルと干渉していたので3Dプリンタで作成しなおしました。

なお、MF70を正面にみて、左右方向がX軸、前後方向がY軸、上下方向がZ軸です。

右方向が+X、手前方向が+Y、上方向が+Zとなります。

 GRBLパラメータ設定

GRBLのパラメータ設定を行います。設定内容はこちらに説明があります。

GRBLとの接続 

Arduino開発環境のターミナルで可能です。後程制御ソフトをインストールしてからの設定でもOKです。GRBL ver1.1では接続速度は115,200bpsで8-N-1となります。

今回設定するのは、モータの回転方向($3)、パルス数設定($100-103)、原点復帰関係($21, $24,25)です。

モータ回転方向

YとZが反転していますので、

$3=6となります。

Setting Value Mask Invert X Invert Y Invert Z
0 0000 0000 N N N
1 0000 0001 Y N N
2 0000 0010 N Y N
3 0000 0011 Y Y N
4 0000 0100 N N Y
5 0000 0101 Y N Y
6 0000 0110 N Y Y
7 0000 0111 Y Y Y

パルス数設定

1mm移動するのに必要なパルス数を設定します。200ステップで1回転のモータを1/8マイクロステップ動作させていますので、$100-103=1600となります。

原点復帰

原点復帰動作では、$25の速度で原点リミットスイッチを探し、SWがONしたら$27で設定した分だけ戻り$24の速度で精密に原点位置を検出します。

$21でハードリミットを有効にしました。軸端のリミットスイッチを踏むと強制的に軸移動が停止します。 まだリミットスイッチを付けていませんので動作確認のみです。

最終的な設定は下記となりました。

$1=25

$2=0

$3=4

$4=0

$5=0

$6=0

$10=1

$11=0.010

$12=0.002

$13=0

$20=0

$21=1

$22=1

$23=0

$24=25.000

$25=100.000

$26=250

$27=1.000

$30=1000

$31=0

$32=0

$100=1600.000

$101=1600.000

$102=1600.000

$110=500.000

$111=500.000

$112=500.000

$120=10.000

$121=10.000

$122=10.000

$130=200.000

$131=200.000

$132=200.000


以上でハードウェアの設定が完了しました。

次はソフトウェアの設定に入ります。



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